暗中模索

何か大事なものを置き忘れてきているのでは？

歳を重ねるに従い、その感覚が明確な輪郭を持ち始める。

幼い頃の記憶を辿るが記憶は断片しか姿を見せず、

ピースの欠けたパズルのように完成しない。

それは、水面に浮かぶ月を掴むが如く。

“もどかしさ”が募るばかり。

 

けど、つい最近その答えが見えた気がする。

 

それは“感動”

 

確かに、ここ数年以上、感動したことはない。

それどころか、腹を抱えて笑ったことも滅多にない。

心が冷めてしまっているのか。と言うとそれもある。

年齢を重ねると殆どのことは経験済み。

そこに感動などあるはずもない。

 

しかし、この“感動”が物凄く大事な鍵。

日本酒会等のイベントも然りだが、心躍る何かがないと。

結局のところ、単なる“飲み会の延長線上”になる。

それでは人の心は動かすことは出来ない。

 

つまり、裾野を広げるという観点においても、

感動があるからこそ、他人に勧めるわけであり、

それがないと口コミでの効果はまるで期待できない。

面白い映画やドラマは勧めることがあるよね？

それと同じということ。

 

それには、感動の他に“熱量”というのも重要。

他人に勧める際に、淡々と話して伝わるのか？

内容は伝わったとしても、興味を引くことは少ない。

そこで行き止まりになってしまうわけだ。

 

とは言ったものの…

感動を与えることも、熱量を維持することも簡単ではない。

特に感動を与えるのは、年齢が上がるほど難しくなる。

でもって日本酒を絡めてとなると。

 

“暗中模索”

 

今の状態をここまで的確に表せる言葉は他にはない。