2021.12.6
日本酒とワイン -後編-
前回の続き。
ワインと比べて日本酒は何故高いと売れないのか?
売れないのかという表現より“売れ行きが鈍る”が正しいかも。
前編では「安酒のイメージが強い」という一つの要素を挙げました。
日本酒は大衆の飲み物でワインは貴族の飲み物
かなり極端ですけど、そういう感じです(笑)
しかし、本当の要因はどこにあるのか?
これは簡潔に述べるとすれば“歴史の違い”だと思います。
単純な歴史も違いますが、その長い年月の間に培われたイメージ。
ブランディングとプロモーションが決定的に違います。
日本酒も今は山田錦やら雄町やら米の品種がスポットを浴びますが、
その歴史たるや実はたかだか30年程度なのです。
※級別制度から特定名称に切り替わったのが1993年~
ですので、山田錦がいかなる米かを知らない人も多いですし、
精米歩合によって何故値段が変わるのかを知らない人も多いです。
そう考えると、紙パックの酒を飲んでいる人が、
地酒は高いというイメージを持つのも仕方ない部分があります。
それだけ浸透していないのです。地酒文化というのは。
時々聴こえてくる「日本酒なんて何を飲んでも同じやろ」
この言葉に全てが集約されている気がしますね。
そういう意味では日本酒はワインと比べたら周回遅れです。
いや、実際はもっともっと遅れをとっているかもしれません。
ワインのように高くても納得して(本当に納得しているかは謎)
多くのユーザーが違和感なく手に取るようになるには
相当な時間と努力が必要ということです。
何事も一朝一夕では成り立ちません。
「ローマは一日にして成らず」
そういうことだと思います。